私の姉から開店10周年記念の花が届きました…
えーと…実は当店は今年9年目でして…その…1年気が早いデスヨお姉ちゃん。
めちゃくちゃ豪華やし、とても良い香りが漂っておりまして、お客さんからもお祝いの言葉を頂くのですが、いやぁ実はまだ9年でして、計算違いで送られてきましてね、ワハハハ
最近何かと話題のAI、chat GPTにて地元で専門性の高い補聴器店を提案してもらいました。
結果、AI調べでは地域で最も専門性の高い補聴器店は補聴器プラザ小田原との事でした!
『正直に言うと、とにかく精度重視ならここ』だそうです
今週から来週にかけてお客様へ納品予定の補聴器ですが、それぞれの補聴器メーカー専用のバッグに入っています。
ここにあるだけで4種類のメーカーに分かれていることが見て取れると思います。
何を言いたいか・・・
当店は特定のメーカーに集中することなく、それぞれのお客様の要望、聴力低下レベル、ご予算、生活環境など様々な条件を加味したうえで最適と思われるものを提案しています。
最近では特定のメーカー系列の販売店が増えていますので、果たして本当にご自身にとって最適なメーカーが選択されているか、なぜそのメーカーが推奨されているのかよく検討してみる必要はないでしょうか?
メーカー系列の販売店では、そもそも選択肢が最初からない場合もあり得ますが・・・
補聴器を使っている難聴者の大きな悩みと言えば、「雑音下での聞き取り」ではないでしょうか。
同じような聴力レベルでも雑音下での会話の聞き取り能力は異なる場合が多く見られます。
単純に言葉の聞き取り能力を測るものに、「語音明瞭度測定」があります。これは、ア・カ・ヒ・ハ・・など語音を1音づつ、さまざまな音量で聞いてどれだけ正しく聞き取れるかを調べる検査ですが、雑音下での聞き取り能力を測るものではなく、静かな環境での自身の耳の最大限の聞き取り能力を調べるものになります。
この語音明瞭度測定は多くの補聴器専門店で実施されているものですが、この測定で雑音下での聞き取り能力を推測することはできません。(この語音明瞭度測定すらやらない店舗で補聴器購入してはいけませんよ!)
本題に入ります。
今回当店で導入した測定手法は「ACT」と呼ばれる検査。
「ACT」・・Audible Contrast threshold Test の略で、雑音下聴取能力テストといった意味になります。
通常の聴力測定を実施したあとに、その人それぞれの聴力に見合った音量で検査をします。
具体的には、雑音の中にスピーチ信号を模した波形の音が流れてくるので、その特殊な音を聞き分けられたときに応答ボタンを押すものです。
聴力低下がない一般的な若者の場合、雑音の音量と、聞き取りたい音声の音量がほぼ同じレベルであっても(SN比±0)ほぼ聞き取れます。
難聴が進行すると、当然ですが雑音よりも聞き取りたい音声のほうが音量が大きくないと聞き取れません。
この「ACT」は雑音と聞き取りたい音声信号にどれだけの音量差があれば聞き取れるのかを測る検査です。一般的にはSN比などと呼ばれるものです。
どれだけのSN比があれば、騒がしい環境でも会話が聞き取れるのかを推察することができます。
これにより、補聴器をどのように調整すべきなのか、どのような補聴器を選択すべきなのかを把握することができ、より良い聞こえ環境を手にするための助けとなります。
この検査手法は数年前から海外で研究がすすめられてきて、ここ1~2年で実際の現場で使用され始めたばかりの新しい技術のため、まだまだ実施している場所はごくわずか。
自身の持つ聞きとり能力を最大限に活用するために、そして今使っている補聴器が果たして今より改善できる余地があるのかどうか知るためにも一度体験してみると良いかもしれません。
左右で聴力に大きな差があるケースでは本当に注意が必要です。
コチラの方は、数年前にメガネ店で両耳に補聴器を購入したそうですが、左耳は全く使っていないとのことでした。
そりゃそうですね、この聴力で小型耳かけ(RICと呼ばれるタイプ)で通常の汎用耳栓で使用していたら全く使用する意味がありません。
いや機種云々述べる以前に、左側は語音明瞭度も10%以下なのでかなり難しい状態です。
購入した頃はもう少し聴力は良かったのではないかとは思いますが、左右差がある場合は聴力測定の結果が果たして正しかったのかどうかも怪しいです。
左右で聴力に差があるケースでは測定に誤差がでやすいため、それなりに測定技術、知識が求められます。
実際よりも良いデータが出る間違いが起きやすいのです。
今回のケースでは購入時に大変大きく割引して頂いたので購入に至ったとのことですが、結局のところ1台は役立たずになってしまったので果たして本当に安い買い物だったのか疑問ですね。
そしてこの聴力レベルですと障害手帳6級に該当する可能性もあるので、障害手帳申請の手順と自立支援法について説明し、耳鼻科受診を案内する流れとなりました。
最初に購入したときに先に耳鼻科を受診していれば、もしくはせめて認定補聴器専門店で相談していれば結果は違っていたのではないかと思われます。
こちらの画像は補聴器の調整画面の一部になります。
補聴器の出力を周波数と入力音量ごとに表した周波数特性ですが、一部分だけ山のような形に突出していることが見て取れます。
これは決して下手くそな調整を揶揄する目的でアップしたものではありません、私自身が調整したものになります。
もし、この補聴器装用者が他の店へ行ってそこの店員がこの調整を目にしたら・・・
おそらくは「何だこのヘンテコな調整は・・下手くそか!」と思うかもしれません。
しかし、当然この調整には理由があります。
次の画像は、この補聴器装用者の耳の音響特性を計測したものになります。
裸耳利得とも呼ばれ、耳道の音の響き方を表します。
通常はこのようになだらかに右肩上がりとなり、3kHz付近にピークができます。
しかし、今回のケースでは1~2kHz付近に大きなディップができており、この周波数帯域が減衰してしまうことが見て取れます。
この方は両耳とも手術歴あり、通常とは異なる音響特性をしているため、通常通りの補聴器フィッティングでは満足のいく結果につながりにくい状態です。
さて、最初の調整グラフでは大きな山ができるグラフになっていましたが、耳道にマイクを挿入し実耳測定した結果のグラフはどうなるかと言うと・・・
このように突出した山ができることはなく、滑らかな特性となります。
パソコンのフィッティング画面を見ているだけの調整では分からないことです。
実耳測定なしで調整していたら、実際の耳の中の特性では大きな凹みが出来ていたはずです。
今回はかなり特殊な例ではありますが、誰であっても自身の耳の音響特性に合わせた調整をすることには大きなメリットがありますので、実耳測定技術のある専門店を選択することを強くお勧めいたします。
本日相談に来られたお客様、主訴は「補聴器をつけても、特に右がボンヤリしてよく聞き取れない」
およそ1年前に出張販売スタイルの業者から補聴器を購入したとのこと。
まずは聴力測定してみると、かなり左右差があり右はかなり気骨導差がありました。
気骨導差とは、鼓膜を通したきこえと骨伝導で内耳に直接振動を伝えたときの聞こえの差のことです。
こういう場合は本来、耳鼻科受診が先になるはずですが既に他店で購入してしまっているので致し方ありません。
聞くところによると、しばらく前に中耳炎になり治療したとのことなので、もう治療は終わっていたのかもしれませんが・・
左右差があるのでイヤな予感がしたのですが、予感的中。
補聴器に保存されていた聴力が全然間違っていました!
右の聴力が実際より良く表示されており、それに基づいて調整されているので全然出力が足りていないのでした。
こんな感じの調整になっていました。
右は出力不足、そして左は謎のリニア調整!(アナログ補聴器時代の調整方法ですね)
なぜリニア調整にしたのか・・・全く意図がわかりませんが・・・
右もリニアぽくなっていますが・・・気骨導差が大きいからそうしたのでしょうか?
ならば左はなぜ・・・?よくわかりません・・・
当店で実耳測定機器を使用し、適切な調整に修正したところ、「右はもうダメなのかと思っていたけれどよく聞こえるようになった」とのことでした。
右も最高語音明瞭度で80%あったので、しっかり調整すれば聞き取れるはずでした。
訳のわからない調整をする業者が暗躍しております。
しかも「補聴器のプロが自宅訪問」などと謳っている場合もあるからタチが悪い。
何をもってプロを自称しているのか?
補聴器は「認定補聴器専門店」で相談しましょう!
耳介が柔らかくなっている方、特に高齢者に多く見られます。
耳介とはいわゆる外に出ている耳の部位ですが、その中でも特に下の図に示した部分が柔らかくなっている方について。
このマルで囲った部分が柔らかくなって少し垂れてきているような方を見かけることがあります。
その場合、注意すべきことは「耳掛け型補聴器」が落ちやすいということ。
耳掛け型補聴器は、このように耳の上に掛けて使いますので、ここが柔らかくなり外側へ垂れてしまうような場合はどうしても収まりが悪く、外れやすくなります。
どうしても耳掛け型を使わなければならない場合(例えば高度難聴で耳穴型ではカバーしきれないなど)、ご自分の耳穴の形に合わせたオーダーメイドの耳栓(イヤモールドと呼ばれる)を作成することで、万が一補聴器が耳の上から外れても耳栓で保持できているので落下をある程度防げます。
どうしても耳掛けでなければならない理由がなければ、このようなケースでは耳穴型補聴器のほうが使いやすいかもしれません。
耳穴型補聴器の場合は、耳穴の形にピッタリ合うようにオーダーメイドしますので、耳が柔らかくなっていても外れる危険は低減します。

このような形状をしています。
各個人の耳の形に合わせているわけではないため、付属してくる何種類かの耳栓を使い分けることになります。
ワイアレスイヤホンなどでおなじみの使い方です。
価格は通販で売られている数万円程度のものから、1台20万~60万以上するものまであります。
まずメリットから解説します。
充電式を選択できる
気軽に使える
耳型採取が必要ないので、その場で購入も可能
(通販で販売されているものは)価格が圧倒的に安い
補聴器が小さくなると、電池交換も大変になるので充電式を選べることはメリットとなります。
また、注文してから在庫があればすぐ購入できるので待期期間は少なくて済みます。
通販で販売されているような機種は価格が非常に安く、予算をかけたくないという人にはメリットとなります。
次にデメリットについて解説します。
ハウリングしやすい(ピーピーという雑音)
口の動きでズレやすい
落としやすい
基本的に軽度難聴向け
ハウリングというのはピーピーと異音が出てしまう現象です。
耳から漏れた音を補聴器のマイクが拾ってしまい、それを増幅してまた漏れて・・・というように延々とループしてしまうことで起こります。
耳の形に合わせていないので、耳栓のサイズが合わなかったり、聴力が低下してボリュームを上げざるを得なくなった場合に発生しやすくなります。
形に合わせていないので、耳から落ちる可能性は否定できません。
皆さんも駅の構内などで、音楽用イヤホンだったり、その耳栓などが落ちているのを見かけたことがあるのではないかと思います。
そして、先ほどのハウリングの話とも関わりますが既成耳穴型は軽度難聴向けの機種です。音量を上げるとハウリングしやすいからですね。
次にオーダーメイドの小型耳穴型補聴器について見ていきます。
オーダーメイド小型耳穴型補聴器

このような形状になります。こちらも完全に耳道へ収まるため、外からはほぼ見えません。
ひとりひとりの耳穴に合わせて作成します。
価格は両耳で20万程度~作成可能です。
ではメリットから
各個人の耳穴に合わせて作るため音漏れが少なく、ハウリングが発生しにくい
中等度~高度難聴まで対応可能
落ちにくい
さきほどの既成タイプと比較すると、音漏れが起きにくいので当然ハウリングも少なくなります。
と言うことは当然、より難聴が進んでも使用可能になることが大きなメリットとなります。
耳の形にピッタリ合わせているのでウッカリ外れて落としてしまうリスクは比較的少なくなります。
つぎにデメリット
小さい電池を交換しないとならない
密閉度が高いので自声の響きなどの違和感が出やすい
作成に10日程度の日数を要する
オーダーメイド補聴器の特徴として、自分の声や食事のときの咀嚼音などが響きやすく、これが違和感になりますので、慣れるまで少々期間が必要です。
また、耳型をもとに作成しますので注文してすぐ入手、というわけにはいきません。
次に電池交換ですが、これが特に高齢者にとっては最大のデメリットでしょうか。
非常に小さい電池を1週間に1回は交換しなければならないので、視力に不安のある方、手先の器用さに不安のある方は大変ですね。
しかし最近ではオーダーメイドの小型補聴器でも充電式が選べるようになってきました。
このような小型充電式が発売されていますので、このデメリットは今後解消していくでしょう。
結論
これは私個人の意見ですが、既成の耳穴型補聴器はおススメしません。
通販の安いものなら試しに買ってみても良いかもしれません。「安い」という最大のメリットがあります。
万が一紛失しても諦めもつきます。
しかし数十万円だして、数年で予想外の聴力低下があり、合わなくなってしまったら?・・・落としてしまったら・・?
割に合わないと思いませんか?
同じレベルの金額で耳穴型補聴器を選ぶなら、私はオーダーメイドをお勧めします。
私は、数十万円するような既成の補聴器は使用者が得られるメリットは少ないと考えます。逆に販売する側には大きなメリットがあります。
耳型を採る手間が省ける、オーダーメイドでひとつひとつ作る手間がないので、製造コストが下がる。同じレベルの金額で販売するなら、そのほうが利益率が高くなりますね・・・いかがでしょうか、信じるか、信じないか、あなた次第です
中等度難聴レベルの聴力の方。
他店で左片耳に1台20万円程度(4段階あるグレードの中間価格帯)の耳掛け型補聴器を購入して1年間調整を繰り返しているが、騒がしい環境や数人での会話では音は聞こえても何を言っているか聞き取れないとの主訴。
最高語音明瞭度(言葉の聞き取りテスト)は両耳とも80%程度ある。
問題点は明白、なぜこの聴力で片耳装用なのですか?
20万出していれば、その予算で両耳にすることだって出来たはずです・・・が、、、ご本人には責任はありません。
だってそんなこと一般の消費者には分からないことですから。
片耳が完全に正常な聴力でも、もう片方に難聴があって生活に困難を感じている人は多いですよね。
両耳に聴力低下があって片方しか補聴していなければ当然、もっと困り度は高まります。
そのようなリスクをじゅうぶんに説明して、それでもどうしても片耳しか使いたくない事情があるなら、それは仕方ありませんが、どうも安易に片耳で販売してしまう販売店がまだまだ多く見られます。
購入する補聴器のグレードを1ランク下げても、両耳装用にするような提案、説得をするべきでした。
私たち補聴器技能者は、決してたくさん売りたいために両耳装用を推奨しているわけではありません。
聴力によっては片耳を提案することも当然あります。
相談者の聴力レベルで、できうる限りの効果を引き出すために考えて提案しておりますので、どうか補聴器の相談は認定補聴器専門店資格のある店へご依頼頂きたいです。
認定専門店にはこのようなマークが掲示されているはずです。