雑音下での聞き取り能力を知る

補聴器を使っている難聴者の大きな悩みと言えば、「雑音下での聞き取り」ではないでしょうか。

同じような聴力レベルでも雑音下での会話の聞き取り能力は異なる場合が多く見られます。

 

単純に言葉の聞き取り能力を測るものに、「語音明瞭度測定」があります。これは、ア・カ・ヒ・ハ・・など語音を1音づつ、さまざまな音量で聞いてどれだけ正しく聞き取れるかを調べる検査ですが、雑音下での聞き取り能力を測るものではなく、静かな環境での自身の耳の最大限の聞き取り能力を調べるものになります。

この語音明瞭度測定は多くの補聴器専門店で実施されているものですが、この測定で雑音下での聞き取り能力を推測することはできません。(この語音明瞭度測定すらやらない店舗で補聴器購入してはいけませんよ!)

 

本題に入ります。

今回当店で導入した測定手法は「ACT」と呼ばれる検査。

「ACT」・・Audible Contrast threshold Test の略で、雑音下聴取能力テストといった意味になります。

 

通常の聴力測定を実施したあとに、その人それぞれの聴力に見合った音量で検査をします。

具体的には、雑音の中にスピーチ信号を模した波形の音が流れてくるので、その特殊な音を聞き分けられたときに応答ボタンを押すものです。

聴力低下がない一般的な若者の場合、雑音の音量と、聞き取りたい音声の音量がほぼ同じレベルであっても(SN比±0)ほぼ聞き取れます。

難聴が進行すると、当然ですが雑音よりも聞き取りたい音声のほうが音量が大きくないと聞き取れません。

この「ACT」は雑音と聞き取りたい音声信号にどれだけの音量差があれば聞き取れるのかを測る検査です。一般的にはSN比などと呼ばれるものです。

どれだけのSN比があれば、騒がしい環境でも会話が聞き取れるのかを推察することができます。

 

これにより、補聴器をどのように調整すべきなのか、どのような補聴器を選択すべきなのかを把握することができ、より良い聞こえ環境を手にするための助けとなります。

 

この検査手法は数年前から海外で研究がすすめられてきて、ここ1~2年で実際の現場で使用され始めたばかりの新しい技術のため、まだまだ実施している場所はごくわずか。

自身の持つ聞きとり能力を最大限に活用するために、そして今使っている補聴器が果たして今より改善できる余地があるのかどうか知るためにも一度体験してみると良いかもしれません。