補聴器を購入する際に気を付けて頂きたいこと。
それは、安易な値引きに騙されて買ってしまう事。
売る側に、騙してる意識がないことが大問題。
全国展開しているチェーン店などで顕著な販売方法ですが、とにかく安い。
カタログ価格から30%OFFとか、何日に来たらそこからさらに5%OFFなどと大きく価格訴求してきます。
さらに、大手ショッピングモール等に入っている店舗なので、知名度もあり安心感もあるでしょう。
先日来られたお客様の例を2つほどご紹介します。
まず1人目、TVCMも大々的にやっている某メガネチェーンで以前補聴器を購入しました。
その方は障がい手帳をお持ちの方でした。
本人が申告しなくても、聴力測定の結果や会話のやり取りで、判断がつくはずです。
しかし、何ら助成金の交付について説明のないまま購入してしまいました。
本来交付されるはずの助成金をもらえずに、安い値段で買っても結局は大きな負担になってしまいました。
しかもこの方が、なぜ当店に相談に来たかと言うと、その補聴器があまり役に立っていないから。
本人の生活スタイル、希望のヒアリング不足。調整技術の稚拙さが見て取れます。
次に2人目
こちらの方も、やはり名の知れた大手メガネチェーン店に相談に行きました。
両耳で購入することで大きな割引もあり、購入に気持ちが少し傾いていたそうです。
しかし、ご家族の勧めもあり専門店である当店へ相談に来られました。
当店で様々な測定をしてみた結果、片方の耳は言葉の聞き取りが極端に低くなっており、左右の聴力差が大きい方でした。
また、手帳申請の基準値の境界線あたりの聴力で、今後申請で手帳取得となる可能性もありました。
片方は補聴器の効果が大きくは望めず、音の方向性だったり、そちらからの呼びかけに気づく、という目的だけで使うなら良いのですが、本来の目的である「言葉の聞き取り」には大きく貢献できないことは明らかでした。
最初に相談に行った大手販売店では、以上のような説明は一切なかったようです。
もし、両耳で購入していたら・・・
片方は、「音が聞こえるだけ」の補聴器です。
もちろん、きちんと説明を受けて本人がそれに納得して、効果を感じていれば問題はないのです。
そうではないことが問題。
この方の場合、片耳装用とするか、もしくはクロス補聴器を併用しての「バイクロス方式」が最善の解決策と思われました。
いかがでしょうか?
名の知れた大手販売店であっても、補聴器の販売については全く素人同然の販売がされている実態があります。
例え大きな値引きで安く買えたとしても、役に立たない補聴器を買っていたのでは意味がないわけです。
補聴器について、家電を買うように安易には考えないよう、注意して頂きたいと切に願います。
値引きされてたと言っても、補聴器は結構高額ですから、
「安物買いの銭失い」ならまだマシ。
「高モノ買いの銭失い」になりかねません・・・