補聴器を使用している方にとって、悩みの種のひとつが電話での会話。
聴力が低下してくると、相手の口元の動きなども会話理解の助けとなるのですが、電話だと相手の顔が見えませんので、聴力レベルや相手の声の質、話すスピードによっては会話の理解が格段に難しくなります。
屋外での携帯電話での通話になると、なおさら周囲の騒音に邪魔されて難しくなりますね。
または、補聴器に電話を近づけると「ピーピー」とハウリングを起こしてしまったり・・・
そのような悩みを解決するため、補聴器はこれまで様々な進化を遂げてきました。
まず、最近の補聴器はほとんどハウリングが発生しなくなりました。
次に、電話の受話口にマグネットを取り付けておき、補聴器と電話が近づくと自動的に電話モードに切り替わるような仕組みが出てきました。
電話モードに切り替わると、周波数特性が変化して電話の音質を聞きやすくするというものでした。
さらには、電話モードになると電話に出ているのとは反対側の耳にも電話音声を送信し、両耳で電話の会話を聞きとれる仕組みも出てきました。
数年前からは、電話音声を補聴器にワイアレス送信できるようになってきました。
ただし直接ではなく、このような中継機器が必要でした。
基本的にはブルートゥースを利用した通信方式なのですが、ワイアレス通信では電池の消耗が激しく、補聴器用の小さな電池ではすぐに切れてしまうため、中継器まではブルートゥース通信、そこから補聴器まではより低電力な通信システムが当初使われました。
現在では、そのような中継機器がなくとも直接補聴器に電話の音声を送信することも可能になっています。
ただし、ワイアレス通信で電池消耗が大きくなることは、多少改善されたとはいえ課題となっています。
さらには、現状ではアップル社のiphoneなら動作保証されているものが多いのですが、アンドロイドのスマートフォンでは動作しないケースも多いです。
なので、現在補聴器を使用している方では、iphoneを使用される方が何かとメリットが多いでしょう。
電池消耗が大きいことに関しては、充電式の登場によってだいぶ改善しました。
例えば、リサウンド社の最新式充電補聴器、「リンクスクアトロ」では、1回の充電で24時間以上使うことが出来、なおかつ充電池内蔵ケースにより、屋外でも充電可能。
このように、充電ケースの背面に3つのランプがあります。
これは、電源のない屋外でも3回まで補聴器をフル充電できることを示しています。
普段自宅で電源につなげておけば、外出する際にはこのような状態となっています。
ケース自体は、男性であればズボンのポケットにも入る程度の大きさ。
持ち運んでもさほど邪魔にはなりません。
万が一、屋外で充電切れになっても30分の充電で8時間程度使えます。
これからの補聴器は、充電式。
そしてアイフォンとの連携をお勧め致します!