骨伝導補聴器に関する勘違い

 

たまにお問い合わせを頂く、骨伝導式補聴器についてのお話をしたいと思います。

 

当店に、骨伝導についてご質問される方の多くが、骨伝導は雑音が少なく、騒がしい環境で聞きやすいのではないか、という認識をお持ちです。

 

残念ながら、この認識は間違いです。

 

かつてあった、骨伝導式の携帯電話や、骨伝導式の音楽再生用イヤホンなどのイメージがあるのかも知れません。

 

携帯電話や音楽再生を骨伝導で聞く場合、それぞれの機器から出力される音声が直接内耳へと伝わりますので、割とクリアに聞こえるかもしれません。

 

では、骨伝導式補聴器の場合はどうでしょうか?

 

補聴器はそもそも、日常会話を聞きやすくすることが役目です。

なので、通信や音楽再生ではなく、会話する相手の声をマイクで拾って、増幅をしなければなりません。

 

という事は、当然相手との距離が関わってきます。

会話音声は、空気を伝わってくるわけですよね。

 

そうなると、その周囲にある様々な雑音も当然混じりあってマイクに入力されるわけです。

 

なので、骨伝導式補聴器だから雑音が少ない、という認識は間違いです。

 

マイク入力の音声を増幅する以上、マイクが拾う音声に雑音が混入することは避けられません。

 

骨伝導式補聴器の効果が高いケースは限られます。

 

・ 骨導聴力が正常な方(伝音難聴の方)

 

 内耳に障害がない、もしくはあっても軽度であるが、中耳(鼓膜や耳小骨など)に障害があり、聞こえが悪い方。

 

このようなケースでは、骨伝導は大変役立ちます。

 

骨導聴力も低下してきているケースでは、骨導での音の伝達には出力の限界がありますので、あまり意味がありません。

 

 

また、骨導式補聴器は、振動で音を伝えますので、しっかり密着していないと聞こえが悪くなります。

そのため、長い年月使用してきた方の中には骨導補聴器の振動板の形に骨が陥没してしまっている人もいました。

 

このように、効果がある方が限られる上、少々使いづらさもある骨導補聴器は近年あまり普及しておりません。

 

手術で骨に埋め込む形の骨導補聴器などもありますが、こちらも効果があるのは伝音難聴の方です。

 

いずれにしましても、気になる方は当店にて相談を受け付けます。

 

骨導聴力の測定がしっかり出来ている店でないと、そもそも相談しても意味がありませんので、ご注意ください。

 

こちらの記事も参考にどうぞ。

https://ameblo.jp/hochoukiplaza-odawara/entry-12426483355.html