音はとてもよく聞こえるけれども、話の内容が良く分からない。
この仕事をしていて、とても良く聞く話です。
あなたが使っているその補聴器、買う前に「語音明瞭度測定」・・ことばの聞こえ方の測定はしていますか?
上の画像のような測定結果の説明は受けましたか?
ちなみに、この画像の測定結果は100dBという、非常に大きな音声で言葉を聞いても、最高で35%程度しか正確に聞き分けが出来なかったという例になります。
「音が響いたり、割れてしまい、何を言っているのか分からない。」
そんな訴えで当店に来店されました。
メガネ店で購入した耳かけ補聴器を両耳で使用されていました。
結論から言いますと、調整はこの方の聴力に対して利得が過剰だった。
聞こえない、聞こえない、と言われて単純に音量を上げられてしまったと思われます。
ピーピーと、ハウリングも発生していました。
まずは、適正な音量に調整しました。
しかし、元々の語音明瞭度に限界があり、肝心な言葉の聞き取りの改善は少々困難です。
だからと言って、補聴器が何の役にも立たない、というわけではありません。
補聴器なしでは、普通会話音声はほとんど聞こえない聴力なので、補聴器を使うことでゆっくりの会話であれば、かなり楽になるはずです。
また、このように言葉の明瞭度が大きく低下してしまっている場合は障害手帳の申請ができます。
補聴器を新しく作成する際に助成金の対象となるのです。
そのようなアドバイスは、耳鼻科医や認定補聴器専門店と呼ばれる販売店でないと、なかなか教えてくれない情報だったりします。
純音聴力測定だけでは見落としてしまう。
語音明瞭度も調べないとわからない内容だからです。
今回、補聴器相談医の受診を案内し、手帳申請~補聴器の交付申請までの手順も説明致しました。
とても当たり前の内容なのですが、それが出来ていない事を大変多く見かけるのが国内の補聴器販売現場の実状なのです。