補聴器購入の失敗例

 

 

 

先日、補聴器をどこで買うか?・・といった記事を書きました。

 

 

 

どこで買うかも、もちろん大事なのですが、誰から買うのかということも大事だと思います。

 

例え長年営業してる老舗の専門店であっても油断ならない例を目にする事があります。

 

 

 

図で示した聴力の方は、以前右側で突発性難聴を患い、その後回復せずに固定してしまった方です。

 

使用している補聴器は耳穴式の中等度~高度難聴のさしかかり位まで使えるタイプの機種でした。

 

 

このような形の物です。※例です。実際の物ではありません。

 

 

 

これを、右側の耳で使用していました。

 

購入先は、チェーン展開している補聴器専門店。

 

 

 

補聴器をつけても右側から話しかけられると聞き取れない。

 

雑音ばかりで役に立たない。

 

購入店では、これ以上調整できないと言われたが、何とかならないか?・・・

 

とのことで当店にご来店頂きました。

 

 

 

この機種は、この方の右耳には明らかに出力不足でした。

 

 

 

さらに、この方の右耳の最高語音明瞭度は10%。

 

要するに、どれだけ音を大きくしても1割程度しか正確に聞き分けができていない。

 

出力が足りていても、やはり聞き取りは難しいでしょう。

 

 

 

ちなみに左側は多少聴力低下が見られるものの、普通会話レベルの音声で語音明瞭度90%。

 

普通の声で、ほぼ正確に聞き取れています。

 

 

 

果たして右にこの補聴器を買う意味があったのか・・・?

 

失敗と言わざるを得ないのではないか?

 

何十万円か払って、これではあんまりですね!

 

せめて耳かけ形だったら、左耳に付け替えることも可能だったのですが・・・・

 

耳穴型では、それも不可能。

 

 

 

この方が、もし補聴器を作るなら左耳を多少なり補正するか、右からの音声を良く聞こえる左側へ送信する、"クロス補聴器"の適用が良かったのではないか。

 

 

生活環境次第では、無理して補聴器を使わなくても良かったかも知れません。

 

 

 

知識不足か、良心の欠如か分かりませんが、このような事例もよくありますので、補聴器の相談は是非とも慎重に。

 

 

 

本日も左右で聴力差のある方がご来店され、やはり以前突発性難聴を患った経験をお持ちでしたので、ふと思い出したことを記事にしてみました。